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2015年05月12日 22:19
車庫や賃貸ビル、駐車場として利用している一帯の有効活用を進め「にぎわい拠点」を目指すとのこと。
【中国新聞】:広電被爆建物、取り壊しも 再開発を検討(以下転載)
(ここまで)広島電鉄(広島市中区)が今後、本社周辺の所有地約2万2千平方メートルを再開発する構想を持っていることが11日、分かった。具体的な計画作りはこれからで「にぎわい拠点」を目指す考えだ。一方、所有地内には、広電が保有する被爆建物が2棟あり、取り壊しを含めて検討する。
再開発を目指すのは、中区東千田町の本社ビルの周辺にある所有地。千田車庫や賃貸ビル、駐車場として利用している一帯の有効活用を進める。2020年の東京五輪・パラリンピックなどで建設現場の人材確保が難しいとみて、それ以降の着工を想定している。
広電が再開発構想を進める過程で浮上するのが、ともに被爆建物でれんが造りの事務所と、千田町変電所の扱いだ。広電によると、2棟とも前身の広島電気軌道が1911年、発電所として建てた。爆心地から1・92キロの地点にあり、原爆で窓ガラスや屋根が損壊したが、倒壊は免れた。
今も事務所と変電所として使っているが、建設から1世紀以上たち、老朽化が進む。耐震化し、保存するには多額の費用を要するとみられる。
広電の椋田昌夫社長は「被爆建物として保存を前提には考えていない」と説明。「まちの活性化につながるなら生かしたいし、難しいのであれば(取り壊しを)考えざるを得ない」と話している。
これはビッグニュースです。
上の地図をご覧いただくと分かりますが、車庫、東側の大通り沿いのビル、変電所、そしてマダムジョイまで含めるとなればかなり広い範囲になります。
広電は再開発によって「にぎわい拠点」を目指す考えですが、まだ具体的な計画は決まっていないそうです。
車庫自体が場所を取りますから、アストラムラインのように立体的な利用が望まれますね。手狭であれば拡大させることもあるでしょうし。
広電らしさを感じられる「にぎわい」となると、路面電車の博物館がピッタリではないでしょうか?
広島は全国の都市で引退した路面電車が引き取られ新旧バラエティ豊かな車両が混在する、「路面電車の動く博物館」などとよく言われることがありますが、きちんとした施設は持っていません。
さらに今後も新型車両が導入され老朽化した旧型車が引退を迎える機会も増えてきます。
広電の歴史と歴代の思いが詰まった車両達、そして最新のLRT技術を紹介する、日本で唯一の路面電車博物館ができれば非常に面白いと思います。
付近には広電ボウル・ビバーチャ、中区スポーツセンター等、意外と集客力のある施設がありますからそれらとの相乗効果も期待したいです。
北側の旧広島大学本部跡地では民間デベロッパーによる再開発「広島ナレッジシェアパーク」プロジェクトも動き始めました。
赤十字・原爆病院の新棟建設工事も進みます。
千田町周辺の街並みは大きく変わりそうです。
被爆建物の存廃問題がありますが、民間が所有する被爆建物についてはその所有者が判断することが当然です。
保存するには多額の維持費がかかりますから、やはり外壁のみの一部保存や復元あたりが現実的になるのではないかと。建物は無くなっても記憶の継承は必要だと思います。
時期については建設資材・労働力の確保が難しいことから、2020年の東京オリンピック・パラリンピック以降になると書かれています。
じっくり検討して素晴らしい再開発になることを期待したいです。
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2015年03月28日 22:51
【駅前大橋線】最適な広島駅の構造は?
今回はもう3点ほど、広電に関する近頃の動きを紹介しておきます。
1点目はダイヤ改正です。
【広島電鉄】:4/6(月) 市内線・宮島線のダイヤ改正について
注目は市内線です。
2012年から順次導入が進められている1000形「グリーンムーバーLEX」が、
これまで走っていなかった1号線(紙屋町経由宇品線)と6号線(広島駅~江波)でも運行されるようになります。

グリーンムーバーLEX(2014年2月撮影)
3連接車体が特徴の1000形は1月に6本目が走り始めたことを取り上げましたが、現在では第8編成まで営業運転に入っています。
市内での存在感も増してきたように感じます。
1号線の低床車はこれまで集中投入している5100形に加え、1000形が2編成走ることになります。
これに伴い旧型車だった3000形が一線を退くと広電にお勤めの方から伺いました。
2点目は定時運行を目的としたこちら。
【広島電鉄】:電車渋滞解消のための運行実験の実施について

運行密度が高い平日朝の7時45分から9時までの時間帯の「紙屋町西」電停において、
列車同士の渋滞を解消するための実験が始まっています。
紙屋町西電停は全長60m以上あり、連接車でも2編成同時に停車することができます。
従来は前側に電車が止まっている状況で、後続電車が電停後ろ側(2両目)に停車した場合、
後続電車は電停前側が空いた後もう一度停車して、お客の乗車扱いを行っていました。
同じ電停に2度停車するわけですから当然時間のロスになっていました。
今回の実験はこの後続電車が、紙屋町交差点を右折する3・0・7号線の電車だった場合には、
1両目位置に移動しても乗車扱いをせずにそのまま発車するというもの。
1両目に広島駅方面、2両目に宇品方面の電車が停車した時などは
青信号と右折信号を合わせた1サイクルで確実に2両が捌けるようになります。
これは個人的にも前からやったほうがいいのになと感じていた事でした。
2回も停車してお客を乗せるとはあまりにも非効率的です。(トロコンによる進路決定のため一応停車する必要はあるのですが。)
前側で乗車扱いしないとなると利用客へのとにかく丁寧な案内が必要です。
私は朝広電を使うことはないのですが、実際の状況はどのようになっているのでしょうか。
通勤ラッシュ時間に限られるためにそこまで大きな混乱は無いのではないかと察しますが…。
将来的には既存の発車案内へ「前側」か「後側」かを表示できるようにし、終日でこれが出来るようになればいいですね。
3点目です。
今年2015年は1945年の被爆から70年にあたります。
RCC中国放送では今年、「未来へ」と題した企画・プロジェクトが進められています。
この中で広電と協力して「被爆電車特別運行プロジェクト」が実施されることになりました。
【RCC】:RCC×広島電鉄 被爆電車特別運行プロジェクト

広電には昭和20年8月6日の被爆当日も走っていた車両が、現在でも「被爆電車」として走っています。
この被爆電車が1両だけ昭和20年当時の塗装がが復元されることになりました。
6月13日から8月30日までの間、特別運行が行われるそうです。
乗車には申し込みが必要で4月1日から受付が始まります。
詳しくはホームページをご覧ください。
【RCC】:RCC×広島電鉄 被爆電車特別運行プロジェクト
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2015年03月28日 22:15
とりわけ広電に関する記事はかなり久しぶりになります。
広電の速達化のための大きな一手になる「駅前大橋線」は、昨年9月の基本方針決定を受け、基本設計に向けた調査・測量が行われています。
駅前大橋線はこれまで遠回りしていた広島駅~稲荷町間を直線で結び、広島駅の2階にターミナルを作ることが決まりました。
【広島市】:広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針の決定について

(上記ホームページ資料より)
広島市は駅前大橋線の整備で広島駅と紙屋町・八丁堀間の所要時間を4分短縮できると見込んでいます。
広島駅南口広場の基本方針!広電の高架と駅ビル建て替え、デッキ計画などまとまる
市の検討委員会ではこの路面電車ターミナルの構造をくし形(頭端式)で、乗り場と降り場を4箇所ずつ確保する方針がまとめられました。
この構造こそが今回のテーマです。
まずは現在の広島駅の構造を概略図にしました。

現在の乗り場は①と②の2ヶ所です。
八丁堀・紙屋町方面に向かう1・2・6号線は①の乗り場から、
比治山線を通る5号線広島港行きは②の乗り場から発車します。
この他は全て降り場で基本的には進行方向左側から降りて、進行方向左側から乗るという形になっています。
1・2号線で5連接車両が主力となっている広電にとっては少し容量不足であり、降り場③に連接車が入った場合は④にいる車両は線路が塞がれて発車することができない問題を抱えています。
①に本線車両(1・2・6号線)、②に比治山線車両(5号線)が止まった場合は、
一回の青信号の間に2両が同時に発車します。
そしてこちらが現時点での計画されている広島駅の構造。

連接車が同時に4本停車でき一見すると悪くないようにも見えますが、これには大きな問題があります。
まず一つは"行先と乗り場"の関係です。
現状でもそうですが、広島駅から発車する列車は大きく分けて2方面しかありません。
本線方面でもほとんどの人が八丁堀や紙屋町、原爆ドームで降ります。
この構造では、例えば「八丁堀の三越に行きたい」という利用客が、どの乗り場で待てばいいのか直前になるまで分かりません。
案内をするにしてもかなり複雑になりますし、本線・比治山線の交点となる稲荷町交差点で
"案内通りに電車を通すために出発を調整する"という本末転倒な事にもなりかねません。
広電にとって乗り場は4つも必要ないのです。
もう一つの問題は、配線です。
現状の広島駅の①と②のような"直列"関係ではなく、全て"並列"になっているので、
電車の同時発車が非常に難しくなります。
どの乗り場からも続行して発車するにはポイントの切り替えが必要となり、駅前大橋南詰交差点で後続電車が引っかかる可能性があります。
昨年以来、私がお付き合いさせて頂いている「路面電車を考える会」に所属する広電の社員の方も大変危惧されておりました。
場合によってはこの広島駅の構造で、せっかくの駅前大橋線の効果が相殺されてしまう可能性もあり、
今からどのような形が相応しいのか慎重に考えていく必要があります。
私なりに現状の乗り場と同時発車できる構造を引き継ぎ、降り場をもう一本増やした構造を考えてみました。

①②が本線の乗り場、③が比治山線の乗り場で、④⑤⑥は降り場です。
①と②、または①と③に入れてしまえば同時発車は可能となります。
"直列"を作るために県道37号線「城南通り・大州通り」の上空にも乗降スペースを設けました。
これは広島駅自由通路からAブロックとBブロックへ渡ることが出来るペデストリアンデッキも兼ねています。
幅は10m程欲しいです。車道上空に電停を造ることが物理的・法律的に可能かどうかは分かりません。
同時発車ができるとはいえ分岐の数が多いので、実際に円滑な運行ができるかどうかも怪しいです…。
南口広場内やもっと大きく北口まで周る終端ループ線も考えましたが、いずれの場合も既設の構造物があるため実現はほぼ不可能かと思われます。
やるとしても、広島駅地下乗り入れよりも建設費が掛かりそうです。
駅前大橋線の広島駅乗り入れ方法が議論されていた2年前、私の頭の中はJR改札がある自由通路都の接続を考え、高架一択でした。
しかし折り返しの構造を考えると地下ならば引き上げ線も整備しやすいですし、北口にも電停が整備できたかもしれません。
少し視野が狭かった事を反省します。
既に高架乗り入れで事業が動き出しています。
ご覧になって下さる皆様で、なにか良い案をお持ちの方はいらっしゃいませんでしょうか。
コメントでもメールでも、パワポでも手書きでも構いません。(メールアドレス:urbanhiroshima@gmail.com)
お送り頂いた提案は、路面電車を考える会の方へ提供させていただきます。
駅前大橋線は広島駅南口広場の再整備と同時に行われ、今のところ開業時期は平成30年台半ば。
まだ駅の構造を考える時間は残されているはずです。
155億円ものお金がかかる事業(国の補助は有り)ですから、それに見合った効果が得られる構造を見いだしたいです。
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2015年02月08日 23:11
【日本経済新聞】:東急・広電・富山地鉄、宇都宮のLRTに技術協力(以下一部転載)
宇都宮市が導入を計画しているLRT(次世代型路面電車)について、東京急行電鉄、広島電鉄(広島市)、富山地方鉄道(富山市)の3社が技術協力する意向であることが分かった。宇都宮市から委託を受けて運転士を養成したり、線路や変電所の整備について助言したりもする。技術面のハードルを超えるめどがついたことで、今後は運営主体の選定に焦点が移る。
宇都宮市は中心部の東西基幹交通としてLRTの導入を計画しています。

かれこれ10年以上前から検討が行われているようで、最新の状況はJR宇都宮駅東口からテクノポリスセンター地区間の約12kmを優先的に整備する計画です。
新4号国道より内側は通常の路面を走る併用軌道ですが、鬼怒川を渡る部分は専用軌道としテクノポリスセンター手前の「野高谷町交差点」付近は高架化するなど、新設のLRTらしく大胆な計画がなされています。
表定速度は20km/hと想定されています。
LRTとバスが同じ平面で乗り継ぎ出来る「トランジットセンター」は5箇所計画されています。広電における「廿日市市役所前」や「広電廿日市」のようなイメージです。
車両についても「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」シリーズとほぼ同じ30m級の連接車を18編成導入する予定です。
福井鉄道に導入されたF1000形を想定しているとのこと。(Wikipedia)
パークアンドライド・バスアンドライドを積極的に推進し、一日4万4900人の利用を見込むそうです。
事業費は400億円前後とされています。(まだ検討段階であり見るソースによって金額が異なるので正確な数字は各自お願いします。)
宇都宮市は2016年の着工、2019年の開業を目指しています。
【宇都宮市】:新交通システム(LRT) > 東西基幹公共交通(LRT)の実現に向けた取り組み
【Response】:宇都宮LRT構想、事業費は412億円…車両増加などで1.6倍に
【産経ニュース】:宇都宮のLRT計画、事業費450億円超に 西は大谷、東は芳賀へ延伸構想も
このような背景があり、広島電鉄にもお声がかかったわけですね。
調べれば調べるほど宇都宮LRTの本気度が伝わります。
以前テレビで見たことがありますが、宇都宮市は日本でも有数のバスの本数を誇る町だそうですね。
中心部の混雑も容易に想像できます。
事業費は450億円と高額ですが、それでも一キロあたり30億円程度と地下鉄やアストラムのような高架トラムを建設するより遥かに安いです。
改めてLRTはバス以上地下鉄未満の位置付けで、こういった中核都市に適した交通システムであることが分かります。
30m級車両を数分間隔で運行させて表定速度20km/hを達成できたら本当に大したものです。(広電は10km/h以下)
開業すれば一気に日本を代表するLRTになるのではないでしょうか。
LRTと呼ぶにはまだ程遠い広島電鉄も、役所と交通事業者で立場は違いますが今回の運転訓練士受け入れから何かを学び得てほしいです。
---------------------------------■追記(2015年2月9日)---------------------------------
追記になってしまいましたが、前回紹介したbobさんが新たな動画を公開されたようなので紹介します。
【YouTube】:近未来広島 広島駅前再開発 Near future Hiroshima Hiroshima station square redevelopment 駅ビル 東郵便局偏
また物凄いものを作られましたね!
広島駅が高層ビルに取り囲まれてます。
今回はbobさんのコメントにもあるように、駅ビルと郵便局跡の超高層ビルはまだ何も計画が明らかになっていませんので想像の姿ということになりますが、私のような開発マニアには垂涎モノです(笑)
駅ビルの規模も現実的かと思います。
そして広電のLRT化に向けた大きな一手となる駅前大橋線は、高架で駅ビルに突っ込んでいます。
このようなガラスの大屋根ができれば開放感も損なうことがないので、是非検討していただきたいですね。
南口広場の再整備に関する調査・測量作業は今年から行われるものと記憶しています。
電停そのものの構造に対して懸念もありますので、広島市がどのようにまとめるのか注目しておきたいところです。
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2015年01月13日 23:51
久しぶりに広島電鉄の話題です。
昨日撮影も兼ねて市内を歩いていますと、広電の新型車両「1000形」の今年度の増備車両にあたる1006号を偶然目撃しました。

紙屋町交差点です。
「1000形」は2012年から導入が進む3連接の新型超低床車両です。
これまで導入してきた5連接の車両より短いのが特徴で、主に市内線を走る老朽化した単車を置き換えます。
最初に登場した1001・1002号は100周年記念仕様としてそれぞれ「ピッコロ・ピッコラ」、
翌年から登場した1003号以降は「Greenmover LEX(グリーンムーバーLEX)」という愛称が付けられています。


"1006"の文字が確認できます。
撮影した前日、1月11日から運行を開始したそうです。
【広島電鉄】:超低床車両グリーンムーバーLEX(1006号)の営業運行開始について
今年度は3編成導入予定となっているので1007・1008号も近く導入されるものと思われます。
来年度もさらに2編成追加配備される計画です。
グリーンムーバーlexの導入のお陰で、これまでよりかなり超低床車両を見かけることが多くなりました。
ますます乗車機会が増えることになりそうです。
【Flickr】:2015/01 広島電鉄
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