category-area

アストラム「東西線」・「南北線」再検証へ 交通体系の全体像は?

2014年02月20日 23:51

今朝の中国新聞にアストラムの延伸に関する記事が出ていました。
目に止まった方も多いのではないでしょうか。

広島市は現在凍結状態にあるアストラムラインの「南北線」と「東西線」について、
実現の可能性を改めて検証していくそうです。

【中国新聞】:凍結の2路線 実現性検証へ
20140220astram_chugoku-np.jpg
(2014年2月20日付 中国新聞朝刊紙面より)


この再検証は以前紹介した広島市の公共交通体系づくりを検討する都市機能向上対策特別委員会の、
「今後の取組及びスケジュール」に記載されていた通りですね。
【広島市】:公共交通体系づくりについて

凍結されている2路線の検証は結構なことですが、この2路線の延伸検討にあたっては
それこそ"広島の将来の「公共交通体系の全体像」をどうしていくか"
ということをセットで考えなければ意味が無いと思います。
もちろんそのための委員会であるとは思っていますが。

全体像という意味では私は以前より、
市内交通の東西を広島電鉄(路面電車)に、南北をアストラムにとこのブログを通して書いています。
もちろん速達性・定時性に優れたアストラムラインが広島駅から中心部を通り西広島駅まで通じているのが理想的なのは確かです。
しかし問題は建設費です。
技術の進歩で当時3000億円と言われた延伸費用は少しは抑えられるとは思いますが、
現在の市の財政状況を考えるとそれが現実的であるとは残念ながら思えません。
加えて広電は駅前大橋線が、アストラムはJRと接続する白島新駅が実現へ向けて動いています。
この二つの事業、それぞれ広島駅~中心部間の東西移動と、新駅~中心部間の南北移動の利便性向上が見込まれている事業です。
これらを最大限活用しながら交通体系を考えた時、
やはりアストラムは本通で途切れているより、もっと南へ繋がっていたほうが都市の成長に大いに寄与できると考えます。

広電はとにかくLRT化です。
広電のLRT化に向けて 胡町・八丁堀電停統合の提案
広電のLRT化に向けて 『急ぐ時はバス』?
広電のLRT化に向けて サイド/センターリザベーションの提案

本通り以南は広電と重複しているため必要ないというご意見もコメントでいただきましたが、
白島新駅ができることによって大量輸送機関であるJR山陽本線から一番早く紙屋町や本通りに行くことができるアクセス手段になります。
南北線延伸では"山陽本線から一番早い"というメリットを維持したまま南へ拡大できるはずなので、
「広電は東西」という交通体系のもと、大いに意味はあると思います。

ちなみに「広島駅から紙屋町はバスが"早い"」という声。
これについても私は疑問を感じます。
ブログで広電広電書いてますが、私もバスに乗ります。
先月広島駅から赤バスに乗って紙屋町まで乗りましたが、(その時は「急いでいた」ので)
銀山町あたりから流れが非常に悪くなり、15分以上かかって紙屋町のバス停に降りました。
結局バスが早いのも道が空いている時だけで、混雑し渋滞している状態では広電とほとんど変わらないのですよね。
市や交通事業者は本当にこのことを深刻に考えなければならないと思いますよ。




もちろん、単線整備などあらゆるコスト削減をしてでも市が建設したい西風新都線ですら本当にあと何年かかって実現するのか分からない状況なので、
東西線や南北線の事業化などとてつもなく厳しい道のりです。
(もしかしたら計画完全放棄という結論を出すための再検証だったりして…)

しかし広島市の交通体系が現状のまま(+西風新都線整備)でよろしいはずがありませんので、
この再検証と公共交通体系づくりの検討委員会によって、根本的な解決に繋がることを願いたいです。
先ほどのページからは公共交通体系づくりへのご意見が送信できるようになっていますので、
都市を良くしたいという思いを是非送ってみてください。
【広島市】:公共交通体系づくりについて




「広島ブログ」に参加しました!
クリックにて応援をよろしくお願いします(^_^)
広島ブログ

関連記事

広島市、アストラム延伸先を西広島に絞込み

2014年02月04日 01:04

astram-hakushima.jpg



広島市は検討されているアストラムラインの西風新都線の延伸先を西広島駅に絞り込むことを明らかにしました。
西広島駅へ向かうルートについても、当初案に加えて周辺の団地を経由する2ルートが想定されています。

【読売新聞】:アストラムライン延伸計画 西広島ルートを採用

【若林新三WEBサイト】:アストラム延伸、西広島で複数案を検討

201301astram.jpg
(上記若林議員WEBサイトより)



都市機能向上対策特別委員会の資料は広島市のこちらのサイトからPDFで見ることができます。(第3回 平成26年 1月30日)
【広島市】:公共交通体系づくりについて



昨年末頃に延伸先として西広島・新井口・五日市の3駅のうち、西広島が収益面では最も優れているといった報道がされました。
詳細なことはこちらの記事でどうぞ。
【西風新都線】西広島単線ルートで最大570億円。本当に必要なもの


若林議員によると広域公園前から西広島駅までの間のルートは、①番の
五月ヶ丘団地~石内東開発地から都市計画道路「己斐中央線」を通り西広島駅へ至る7.1kmのルートが最も有力なようです。
広域公園前から西広島駅への所要時間は14分、最大勾配は6.5%(=65‰)で
事業費は570億円(市負担額355億円)とのこと。

今年3月末までにこの建設ルートは決定されますが、おそらくこの①のルートになるのでしょうね。
もちろんこの決定が事業の実行とイコールにはならないのですが、
読売新聞には"14年度に着工時期も含めた整備プログラムを整備"とありますし実現へ向けて着々と動き出しているのを感じざるを得ないです。

やはり造成中の石内東団地と既存の五月ヶ丘団地を経由し収益性をもたせるそうです。
もみじヶ丘団地、高須台団地などを通るルート②の方がより顕著ですが、
作ることが前提で採算を確保するために大回り(所要時間増)になり無理な構造になり、単線になり…

丘陵団地は高齢化が全国で問題となっていて、路線バスですら維持するのが困難になりつつある中、
規格が"バス以上"の新交通システムが本当に維持できるのかというのも疑問です。



しかしながら、頂いたコメントや色々なものを読んでみると
国からの事業認可の面で最も可能性があるのがこの西風新都線であり西広島ルートであるということですね。
西広島駅から北上する都市計画道路の己斐中央線と同時整備のため補助金が見込まれます。
アストラムの高架を通すための測量や設計もほぼ終わっているようですね。
既に整備された国道54号線の地下を通ることになる、本通り南進ルートは(私が提案するもの)
補助金も見込めないため地下鉄事業として認可されるのが難しいと言えます。
西風新都線も苦しい、その他新線も苦しい、そして現状維持も苦しい。
こんな状況ではないでしょうかね。。


ただ都市機能向上対策特別委員会では西風新都線とは別に東西線・南北線の再検証も行うとホームページに記されています。
先ほど紹介した広島市のページからご意見も送ることができるようになっていますし、
西風新都線のルートも含めて委員会や市がどのような判断をするのか、この春は注目したいです。



「広島ブログ」に参加しました!
クリックにて応援をよろしくお願いします(^_^)
広島ブログ

関連記事

【西風新都線】西広島単線ルートで最大570億円。本当に必要なもの

2013年12月04日 23:28

広島市は検討していたアストラムラインの延伸先3駅(西広島駅・新井口駅・五日市駅)のうち、
将来黒字化できるのは西広島駅のみとし事業費を500億円~570億円と見込んでいることが分かりました。
今年度中にも事業化の可否が判断されます。

【若林新三WEBサイト】:アストラム西風新都線、500億~570億円を見込む
【広島ホームテレビ】:アストラムライン延伸「西広島駅ルート」黒字化の可能性
【RCC】:アストラム延伸 黒字は「西広島ルート」のみ
(数日間動画が見られます)


これらのサイトをご覧のとおり、
広域公園前から、広電が主体となって造成中で地区最大のイオンモールも建設される石内東団地を通り、
勾配8%の単線で西広島へ向かうルートで、設備更新費の2/3(およそ2億5000万円)を広島市が補助することによって黒字化が可能であるとの試算です。
事業費は車両や設備の急勾配対策なども含み最大で570億円になるということで、
確かに当初計画案の700億円から事業費は圧縮されました。
しかしながら広島市の"無理くり感"がどうしても否めない内容です。

アストラムラインは平成6年に総事業費約1744億円をかけて本通り~広域公園前間が開業しました。
開業以来初めて単年度の営業収支が黒字化したのは6年目の平成12年度で翌13年度も黒字を計上しました。
(平成14年度以降は高速4号線の開通により再び赤字。ここ3年間は黒字です)
当初計画で終点は広域公園前ではなく長楽寺と計画していましたが、
後に決まったアジア大会の開催によりさらに先の広域公園前までとなったことも想定を下回る要因となりました。

このように長楽寺~広域公園前区間という"想定外"がありながら、現在開業している区間では6年後に黒字化しています。
試算される西風新都線は広島市が30年間の設備更新費2億5000万円を毎年支払い続けないと黒字化できないことを示しています。
黒字化が30年後ということではないにしろ、あまりに長期的で見込みの甘い試算に思えます。

以前も書いた通り、西風新都線が仮に開業したところで沿線団地から駅までは距離があるため思うような利用者数は見込めないはずです。
現状でも広電バスが団地と横川駅・中心部を結んでいますし、最寄りの西風新都線の駅にバスで行って乗り換えをするくらいなら、そのままJR駅や中心部まで行ったほうが楽ですし料金も時間もかからないでしょうから。
石内東団地の中央をブチ抜いて利用客増を見込むのなら、かつてのダイアモンドシティソレイユ(現イオンモール広島府中)と天神川駅の関係のように、
利益を得る事業者=広電やイオンが建設費の一部を負担させるべきです。
そうでないなら建設するべきでないのではないでしょうか。

それか同じ額を使うなら本通以南の延伸に資金を使うべきです。
西風新都線に比べ公道の地下を通るので用地買収は最小限で済みますし、
トンネル掘削に関してもシールド工法の成熟によるコスト削減、新技術による軟弱地盤対策も期待できます。
高く見積もってキロ当たり200~300億円だとしても、
予算500億円なら駅施設も含めて本通から国道2号線付近(広大跡地周辺)までの約1.5kmの延伸が可能です。
採算面でも市有数のベッドタウンから中心部のビジネス街への需要、それから白島新駅開業によるJR線との相乗効果も期待できます。

正しく言えば延伸が可能"かもしれない"です。
素人のどんぶり勘定なので断言できるはずはありません。
問題なのは西風新都線のみ議題にあげられ勾配などどんな困難があろうとも建設の可否を検討する広島市の方針です。
石内東団地を経由する時点で当初の延伸計画(西風新都線→東西線で環状化→南北線で広島駅)はあってないようなもの。
ちなみに私が提唱する本通~広大跡地付近の延伸案は、広島市が言う東西線でも南北線でもありません。
建設費と照らしあわせ、どうすれば利用者が見込め採算を確保、さらには広島市の飛躍に繋げられるかを
様々な側面から検討するのが本来の委員会の姿ではないでしょうか。

西風新都線でなくても広島市の交通に関する課題はまだまだ多いです。
路面電車だけを見れば広島駅と中心部の所要時間短縮や、本線の西観音町~土橋の間のクランク解消など。

想定事業費を500億円まで削減させましたが、それでも現在の財政状況を鑑みると実現は難しいと思います。
それならば建設は一度凍結し、JR西広島駅の単独改良と都市計画道路「己斐中央線」の単独整備と、クランク解消(平和大通り線西側)を行い、整える方が高い効果を得ることができるのではないかと思います。



○参考
【広島高速交通株式会社】:経営状況
【都市と民鉄】:広島高速交通




「広島ブログ」に参加しました!
クリックにて応援をよろしくお願いします(^_^)
広島ブログ

関連記事

アストラム西風新都線延伸、異例の勾配8%で検討。

2013年09月05日 22:10

広島市は本日開かれた市議会の特別委員会において、アストラムライン西風新都線延伸の大きな課題となる建設費を削減するため
単線構造とすることや軌道交通としては異例の急勾配となる8%(80‰)での建設を検討していることを明らかにしました。
若林議員のウェブサイトです。
【若林新三WEBサイト】:アストラム延伸、急勾配、単線も検討

記事の中にもある通り現状基準となっているアストラムラインの最大勾配は4.5%(45‰)。
伴~長楽寺間、城北~白島間が当てはまります。

astram-hakushima.jpg


8%というとこれの倍近い傾斜となります。いくらゴムタイヤとは言え物凄い勾配です。
現代の車両ですから登坂性能自体は問題ないと思います。
下りや車両故障で立ち往生してしまった場合など、安全に電車を減速して止められるかが一番の課題でしょうね。
車両メーカーに8%勾配にも対応する車両(もしくは機器)を発注するとなれば、そこでまた必要以上にお金がかかりそうです。

単線構造での建設というのは妥当だと思います。
54号沿線ほど混みあうこともないでしょうし、実現可能な方法を探るならやむを得ません。

6月に西広島の他、新井口、五日市の3つが候補として上がっているという記事が出ていました。
今回このようにして急勾配の話が出てきているということは延伸先としては西広島でほぼ固まっているということですかね。
アストラム延伸検討状況― 「急勾配がネック」らしい


そもそも私は以前にも書いている通り西風新都線自体に反対です。
アストラム"都心部延伸"で、空洞化食い止めを。

消費税増税議論が頻繁に取り沙汰されています。増税を決行して税収が下がれば政府はどのようにして責任を取ってくれるのでしょうか。(ちなみに私は来年の増税には反対です。デフレの状態で増税してもいいことはありません!)
これと同じで西風新都線を整備して想定した様な利用者数が無かったら誰がどうやって責任をとるのでしょうか。
市長も任期が決まっていますし実質責任なんて取りようがないでしょう。(=取る必要はない)

消費税増税では税収が上がったか下がったかで、わりと評価はしやすいと思いますが、
交通インフラの場合は、その整備によって新たな人の流れが生まれ人口や商業活動、雇用などを創出していく面があるのでその評価が難しいのも事実です。
完成後の評価期間によっても違ってくるでしょう。
だからこそ長い目で見た場合の本通駅以降の延伸も同じように検討すべきであると思います。

高度経済成長時に造成された住宅団地は時が経ち、団地住民の高齢化が全国で問題となっています。
人口が増える保証がないのに今から郊外に住宅団地を拡張していくのは建設費以上にリスクが高すぎるのではないでしょうか。
まだ人口の伸びがある今のうちに"住みやすい平地"に磨きをかけていくべきだと思うのですがね。




「広島ブログ」に参加しました!
クリックにて応援をよろしくお願いします(^_^)
広島ブログ

関連記事

アストラム"都心部延伸"で、空洞化食い止めを。

2013年06月29日 23:29

201306astram-7.jpg


ちょうど一週間前、勾配検討という動きのあったアストラムラインの西風新都線延伸について書きました。
アストラム延伸検討状況― 「急勾配がネック」らしい

たくさんのコメントを頂きましたので、今回はその返信も兼ねて再度私の持論を書いてみようと思います。

頂いた全ての案件に対して返信するのは難しいですが、
まず私が軸として置いている考えを挙げるとすると如何にして広島市中心部の空洞化を食い止めるかということです。


頂いたコメントでは平野の少ない広島において市域の拡大を唱えるご意見もありますが、
その狭い平地の中区や西区、南区ですら地価が下がり続けている(よくて横ばい)のが現状です。
中心部が開発の飽和状態になっているのであれば大いに推進すべきですが、
今のような状態で市域を広げても成長するどころか郊外型の(そこだけで完結してしまう)街づくりを助長させ、中心部は衰退し空洞化が進むばかりです。
その結果他都市との競争力も低下してしまいます。
事実、市街地の周辺にはイオンモール(府中・祇園・石内(15年度))、ゆめタウン(広島・廿日市(14年度))、アルパーク(井口)、フジ(緑井)とあり得ない数の巨大SCで取り囲まれ、
現在進行形でその事態が進んでいるからより深刻なのです。

しかしそんな中でもここ数年で中心部・駅周辺への有名ブランドショップや集客性のあるお店の出店が加速、
さらに増税が予想されることもありますが高層マンションの建設もプチラッシュ状態を迎えています。
このような動きを最大限活かすためにも中心部の延伸は非常に意味があると思います。

西風新都線延伸に賛成の方のご意見も非常によく分かります。
私はJUNさんのご意見に賛成で採算性のある中心部を延伸させ、ある程度力を付けてから西風新都線に取り組むべきではないかと思いますね。
("飽和"の兆候が出始めてから)


26の安佐南区民さんの、セントラルシティばかりではなく安川流域の住民にも目を向けるべきだというご意見がありますが、
確かに私の考察もセントラルシティばかりで、もう少し東側の団地はあまり目に入っていませんでした。
このことはお詫びいたします。
しかし「こちらを立てればあちらが・・・」という言葉のように、
おそらく毘沙門台や安東のあたりから本通側の利用客でしたら、西(井口・五日市)へ行くにも白島新駅を使ったほうが早く安くなり、西風新都線の恩恵にはあずからないことと思います。

一つの例としてですが本日、大きなマンションが立ち並ぶ安佐南区の西原へ出かけてきましたので紹介します。

201306astram-4.jpg


201306astram-6.jpg


201306astram-5.jpg



それから環状線にこだわるご意見もおありですが、
首都圏や大阪での環状線というものは非常に混雑する都心を回避しその都心から放射状に流れ込む客を円滑に周辺の副都心あるいは郊外に運ぶためのものであり、
広島の場合は"環状線のようなもの"にはなりますが、本来の環状線とは少し違います。
環状線はあくまでそういった手段であり、目的にしてしまっては本当に必要なものまでお金が回らなくなってしまいます。


さて、建設費の問題です。
広島に親戚が多い仙台市民さんが詳しくまとめてくださっておりますが、
提示していただいたデータによると「西風新都線」はキロあたりの建設費としては他都市の地下鉄と比較しても割安、ということになるようです。
(もちろん詳細な調査と計画をしてどうなるかは誰にもわかりませんが)
それでも、700億円±数百億円という巨額な歳出であることには変わりないんですよね。
それならば可能な限り先ほど書いた考えの元、中心部の延伸に使うべきです。

デルタ地帯への地下鉄建設は多額の費用がかかる、というご意見もありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
現在広島市ではデルタ中心部の洪水対策として何本ものシールドトンネルを建設中です。
よく知られているのが白島通りの地下を通る白島シールドトンネルですね。
(正式名称は「白島地区下水道築造20-1号工事」。)
【広島市広報紙 市民と市政】:私たちの街の下水道 地下から、守る。

hakushima_tunnel.jpg
白島シールドトンネル(画像は上記広島市ホームページより)

東白島の白島交差点付近から平和大通り(三川町)に至るまで、白島通り・中央通りの地下をシールドマシンによって掘削されました。
【広島市】:白島地区下水道築造20-1号工事
【広島市】:二葉の里地区下水道築造23-13号工事
【広島市】:三篠地区下水道築造22-1号工事
【広島市】:松川地区下水道築造21-7号工事

デルタ地帯での工事といえばこのくらいあります。
この工事でトンネルがキロ当たりいくらかかったのかはさすがに分かりませんでしたが、
工事は至って順調に進んでいるようで、少なくともトンネルを造るだけなら確実に施工することができるようです。
これらの下水道もそうですが、私の主張する本通~広大跡地(~宇品)路線では河川を横断することが無いので、比較的浅い深度で掘ることが可能です。

余談ですが御存知の通り、現在の路線も一部はシールド工法で施工されています。県庁前~城北間です。
県庁前駅にはこのような展示もされています。

201306astram-3.jpg

「DOT工法」と呼ばれるメガネ型のシールドマシンを世界で初めて採用したのが、このアストラムラインだったようですね。

城北駅近くの歩道には、開通を記念してそのメガネ型シールドマシンによる掘削断面を再現したモニュメントがあります。

201306astram-1.jpg

解説文があった銅板も無くなって、かなり荒れていますが一応モニュメントです(笑)。


私はむしろルートが一部重複する広島電鉄とどのように協調できるか、ということが大きな課題であると思います。
シールドで掘るにしても、出発点と終点は立坑を開削しなければなりません。
地上には路面電車が走っていますから、工事期間中は運行できなくなる可能性も高いです。
そもそも広電がみすみすアストラムの開通を黙って見ているだろうか…。

以前も書いたことがありますが、広電と広島高速交通が対立しても市民に何のメリットもありません。
例えばアストラムの運行を広電に委託するとか、逆に路面電車を広島市営交通として営業させるか。
この辺のハードルがかなり高いのは承知ですが、もし実現すれば空洞化を食い止める大きな一手になるに違いありません。


広島市は平成11年のアストラム延伸計画立ち上げの当初から、「α型」のプランを軸に検討をしてきました。
【広島市】:アストラムライン延伸計画の現在の状況について
ところが現在になって高速4号線の開通、 白島新駅の開業(15年度)と、当時とはかなり背景も変わりました。
「α型プラン」一度白紙に戻して、どこを延伸するのが費用対効果が高いのか、そもそも延伸自体不可能とするのか検討し直すべきではないでしょうか。

もし私が市長ならば、中心部を選ぶでしょう。
具体的には、まず本通~旧広島大学本部跡地(周辺)間の約1.5km!
市役所など鯉城通りの主要なビジネス街をカバーできる上、広大跡地の再開発にも弾みが付きます。
その後西風新都線をやるのか、宇品まで延伸してしまうのか、広島駅とを結ぶのかは今は置いておきます。

西風新都や安川周辺の、西側(井口・五日市方面)へのアクセス改善策としては、
無難ではありますが都市計画道路の己斐中央線の先行整備ですね。
広島電鉄が運営するHD西広島「ボン・バス」も己斐中央線が出来れば非常にスムーズに運行できるでしょうし、新たなバス路線導入も考えられます。


以上、本当に長くなってしまいましたが改めて私の頭の中を整理してみました。
現在の広島市の姿勢には疑念を抱かざるを得ません。今後も注視して行きたいものです。



「広島ブログ」に参加しました!
クリックにて応援をよろしくお願いします(^_^)
広島ブログ

関連記事


最新記事